インターネットのプロバイダ選びを大きく分けると、光回線とモバイルルーターの2択になるが、速度や手軽さではどちらが有利だと思いますか?
光回線は高速で料金も比較的安いプランが出てきているが、手続きがかなり面倒だし開通までに時間がかかる。
モバイルルーターは電話線を繋がなくても使え、面倒な手続きは不要。自宅に機材が届いたらすぐにネットにつなげられるが、料金が割高だ。でも、持ち運び型のモバイルルーターなら外出先などでも自由に通信料を気にせずに利用することができるので、移動先でインターネットを多用する方にはぴったりだろう。
どちらを選ぶかで悩むのは、回線速度のスピードだ。
この記事では、人気の据え置き型モバイルルーターを使って実際の回線速度を測ってみたので今後の参考にしてほしい。
■■■目次■■■
手軽さでは断トツの据え置き型ホームルーター
自宅でのインターネット接続に人気なのが、据え置き型モバイルルーターだ。
電話回線には繋がず、宅配された機材の電源さえ入れれば、誰でも簡単にネットの開通ができる。
ソフトバンクAirを契約して取り寄せる
据え置き型モバイルルーターのジャンルで一人勝ちしているソフトバンクAirを取り寄せてみた。同じ商品を別の代理店で扱う「モバレコAir」や、WiMAXなどもある。
※悪質な代理店もあるのでご注意ください。モバイルルーターは格安で契約して、同時に言葉巧みにウォーターサーバー等の「付属物」をオプションとして契約させ、解約手数料で稼ごうとする業者もあるようです。
ソフトバンクAirを利用する費用は月額5300円前後。
機材の購入とレンタルとでは価格も異なる。
通信速度は下りで最大612Mbpsでデータ容量は無制限。
光回線でも200Mbps出れば満足な早さなので、仮に612Mbpsの半分の300程度のスピードが出ればたいしたものなのだが…
ソフトバンクAirの使い方
驚きの結果の公表は後にするとして、まずは箱を開けてみよう。
電話で注文して3日ほどで指定した住所に届く。
段ボール箱を開けるとモバイルルーターの入った箱が顔を出す。
あのソフトバンク犬もプリントされている。
さらにその箱を開けると、ルーターの本体が見える。
パスワードが書かれたシールやコンセントなどの付属品も入っている。
電波を確認しやすいライト付き
本体中央のLEVELというボタンを押すと、電波状況が確認できる。最強なら3つとも点灯し、弱ければ1つだけ光るので分かりやすい。
置き場所によっては電波の届きにくいところもあるはずなので、自宅の中でも電波を受信しやすい所に設置するといいだろう。
窓際などが良いとされている。
ソフトバンクAirの背面
本体の裏側にはUSBジャックやLANケーブルが2つ、WPSボタンなどがあるが、普通の電話回線を使うルーターと比べるとかなりシンプルだ。
難しい設定もない。
なので、ネット開通後の使い方も至ってシンプル。
機械に不慣れな女性でも簡単に使うことができるのが、この製品のセールスポイントだろう。
一番下に電源の差し込み口があるので、付属のコンセントをつなぐ。
電源スイッチはないので、コンセントに繋ぐだけでOKだ。
そのまましばらく待つと、本体前面の通電ランプが緑色に光る。
あとは、普通のWi-Fiのようにスマホやタブレット、パソコンを設定するだけだ。
例えばiPhoneなら、
「設定」
「Wi-Fi」
「ネットワークを選択」
まで行き、ソフトバンクAirのネットワーク名を見つけたらパスワードを入力すれば繋がる。ネットワーク名とパスワードは付属のシールに印刷されているし、本体の下側にも書かれているのでそのまま入力すればいい。
ソフトバンクAirの実際のインターネット速度
どんなに手軽でもインターネットが遅ければ意味がない。
実際にインターネット接続速度を測ってみた。
スマホでソフトバンクAirに接続し、スピードテストをおこなう。
驚きの結果は…
なんと9.7Mbps。
めちゃくちゃ遅い…
Huluやネットフリックスなど動画サイトの閲覧をしていたら渋滞することもありうる速度だ。
理論値としては下り最大612Mbpsを公表しているものの、注意書きで小さく「表記の通信速度はシステム上の最大通信速度であり」とか、「お客様の通信環境により実際の通信速度は変化します」って書いてある。
それにしても今どき9.7Mbpsは遅すぎるように感じる。
もしや、家の中では電波の受信が悪いのかと思い、家の外に持ち出して計測しなおしてみる。
ソフトバンクAirの屋外での通信速度
玄関の外に延長コードを引っ張っていき、そこでソフトバンクAirをつなぐ。
本体のLEVELボタンを押して電波を確認し、再びスマホでネット接続のスピードテストをする。
モバイルルーターを外に出せばWi-Fiが速くなるというのは間違い
計測の結果はさっきよりも遅い9.5Mbps。
外に出ても意味がないことだけは証明された…
山の中でも田舎でもなく、高層の建造物もない普通の住宅街の玄関先でこの速度かと、うなだれながら室内に撤収することになった。
まとめ
もちろん、さらに通信速度の早い場所もあるだろうし、逆に遅い地域もあることだろう。
測定場所にもよるが、ソフトバンクAirの回線速度は昔のADSLぐらいの速度であることが分かった。
ただ、何回もスピードチェックを繰り返していると、早朝などネットスピードが大幅にアップする時間帯があった。
例えば、近所の住民がまだ寝静まっているであろう午前5時台では78Mbpsだった。
ただし、普段はやはり1桁だったので、通常の使用では速度に期待できそうにもない。
なので、「割高になってもいいから少しでも手続きがシンプルなほうがいい」という方や「引っ越しの予定のある方」以外はモバイルルーターはお勧めできない。
インターネット速度においてはケーブルという現物が最強だし、信頼に足ると感じた一件だった。
8日以内であれば無料で解約・返品できるので、丁重にお返ししたことは言うまでもない。
ポリフェノール