シンプルライフへ
安くていいものは欲しいですが…
僕は日頃から物の値段には敏感なほうですが、全てにおいてコスパコスパと言うことには反対しています。
《なるだけ安く、いいモノを買いたい》というのはもちろん共通しているところだと思いますが、現代は各業界でコストパフォーマンスを重視しすぎると思っています。
消費者がコスパを重視しすぎると、販売店・製造メーカー・レストラン・企業は生き抜くためにそれに応えてどんどん経費削減し、負の連鎖に陥ってしまうと思うのです。
コスパ追求の果てにあるもの
最近もまた次々に大手企業や下請けメーカーの不正が報道されていますが、こうした原因の一つに消費者の低価格至上主義があるのではないでしょうか。
1、私たち買い手がよいコスパに反応して安いものを購入する
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2、製造者は価格の安いものを製造するためにコストを抑える方針に
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3、熾烈な価格競争が続く
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4、さらにコストを抑えるために、人件費や素材や工程をカットする
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5、無理がきて品質が落ちる、また不正行為をしてでもコストを下げ始める
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といったイメージではないでしょうか。
良いもの、良い食事、良いサービスにはそれなりのコストがかかるものです。
それを無理に押さえ込もうとすると、何かを犠牲にしなければなりません。そこで犠牲になるのが働いている従業員であり部品であり品質なのではないでしょうか。
そして無理に低価格で製造された商品が市場に出回り、私たちが不正行為によって作られた低品質な物を買い、短期間で買い換えることになることもあるのではないでしょうか。
安物買いの銭失い
ネットでもアナログの広告でも低価格が魅力的なうたい文句になって、アピールポイントになっていますが、私達消費者が根本的な考えを転換させて、良い品物にはそれに見合った対価を支払い、良いものを自分で見極める習慣をつけなければ、価格競争は終わらず今後も企業による不正な行為は続いていくと思っています。
外国から日本を改めて見てよく思うことの一つは、モノにあふれているということです。
特に経済的に限界のある国では、持ち物の非常に少ないシンプルな暮らしをしている人々が大勢いて、それでも彼らと会話していると感情面では非常に豊かなのだと感じます。
物に関わるより、家族と関わる時間を多く取り、一日一日を大切な人と過ごしながら楽しく生きるといった人生観なのだと思います。
考えてみれば日本にもそんな時代がありました。
いつから私達は物に振り回され、物のために生きるようになったのでしょうか。
安いものを大量に持ったり頻繁に買い換えるのではなく、良いものを少なめに持ち永く使うほうが長期的に見れば賢い生き方なのではないかと感じます。