アップルストアで買ったiPadやiPhone。
海外のアップルの工場から自宅などに配送されますが、どんなルートで運ばれてくるかご存じですか?
アップルストアで買うメリットは安全性。小売店の店頭に並ぶ期間はなく、店員が箱に触ることもないので、ある意味では最も故障のリスクの少ない買い方といえます。
なので僕はよほどの理由がない限りアップルストアで買うことにしていますが、到着までにやや待ち時間がかかるのが難点。
この記事では主な製造国である中国から、iPadやiPhoneがどのように配送の日程調整をしながらあなたの家にやってくるのかをご説明します。
iPadとiPhoneの中国工場から日本への道のり
iPhoneの大部分は中国の河南省で作られている。直接アップル社が製造するのではなく、中国の企業に生産を委託している形だ。ちなみに、生産ラインに携わる従業員の給料は日本円にすると6~7万円。
iPadも大半は中国で作られているが、そのほかにもシリアル番号を見ると韓国などでも製造されていることが分かる。
ただしアップル社では最近、特に2021年頃からは中国以外の工場での生産にも意欲的だ。■■■目次■■■
中国以外での生産に意欲的なアップル
これは国家主席をはじめとする政治の動きや、新型コロナ関連を考慮しての動きといえるだろう。
これまでは世界中のアップル製品の生産を中国に集中させることで、輸送ルートを絞り、コストの削減にも役立ってきた。
ただし今後もしも、不足している半導体製品の輸出入に中国が高額の税をかけたり、再びコロナウイルスの大流行により中国工場が閉鎖される事態となれば、生産国を一本化したままではかなり危険だ。
そういう訳で、今後はインド、マレーシア、ベトナムなどでアップル製品の生産台数が伸びていくことになるだろう。
アジア各国に分散化した生産を本格化するにはもうしばらくかかるので、現状では引き続き中国から日本の顧客に直接送られることが多いといえるが、どのように送られるのだろうか。
アップルストアで配送状況を確認する
購入手続きを無事に終えると、その後は自分が購入した端末が今どこにあるのか、手元にはいつ届くのかワクワクして待つことになるのだが、
アップルストアで簡単に確認することができる。
ちなみに、クレジットカード情報の入力や送り先の指定方法など、購入の方法については下の記事を参考にされたい。
新型iPad9の買い方を徹底解説!アップルストアの使い方からクレジットカードの入力、送り先住所の指定方法までのすべてを完全ガイド! - ポリフェノールの雑記ブログ🖋
さて、アップルストアの注文履歴から配送状況を見てみよう。
上の写真のように【注文確定・処理中・配送準備中・出荷終了・配送済み】と流れが表記してあり、緑色のバーで現在の状況がどこなのかが分かるようになっている。
ちなみに、クレジットカードで購入した場合、実際に代金が口座から引き落とされるのは到着した後となる。
配送業者はクロネコヤマトだ。
リアルタイムでの配送状況の確認
実際にiPadやiPhoneが工場から出荷されて配送ルートが開始されると、注文履歴から現在どこにあるのかが確認できるようになる。
クロネコヤマトのリアルタイムの追跡画面から確認してみよう。
上海支店へ
「海外荷物受付」となっていて、最初に持ち込まれるのはクロネコヤマトの上海支店だ。主な生産工場のある河南省から移動すると考えると上海までは約500kmほど離れているが、おそらく陸路で運ばれると思われる。
そして、そのまま上海の【上海浦東国際空港】から日本へ空路で…と思いきや、そうではない。
深セン支店
配送状況を確認していくと、上海から4日後に深セン支店へと運ばれていた。
深センとは香港のすぐ北にある都市だが、Mac BookやiPadなどは上海支店に持ち込まれることなく深セン支店に入ることもあるので、中国国内の河南省以外でも作っているアップル製品を、いったん深セン支店に集中させてからまとめて日本へ輸出するルートにしているということだろう。
日本のADSC支店
iPadやiPhoneの購入から到着までに1か月以上かかる場合も珍しくないので、以前は船便で運んでいるのかな?とさえ思っていたが、深セン支店から日本のADSC(アップル・デリバリー・サービス・センター)には2日後に移動しているから空路で間違いないだろう。
ADSC支店とは、アップル製品を海外から運んでくる窓口となる、いわばアップル専用の支店のことで、もしも近所であっても受け取りはできない。
あくまでも通過点で、
東京江東区のADSC支店→羽田クロノゲートベース→全国のクロネコヤマトの支店
という流れとなる。
詳しくはこの記事を参考に。
さて、ここからは日本国内での配送となるので、クロネコヤマトのサイトから追跡番号で確認できる。
離島や遠隔地でなければ、ほぼ1日で届けられる。
中国の国内での日程合わせ
さて、アップル製品の発送が開始されてから日数がかかり過ぎているように感じることはないだろうか。
じつは、リアルタイムで配送状況を確認していると、中国国内の支店で数日「足止め」していることが分かる。
これにはどんな理由があるのだろうか。
例えば、悪天候などで流通に遅れがあった場合に備えて、予定にゆとりを持たせてあることが考えられるが、なぜあえて中国内で待つのだろうか。
到着予定日まで中国で時間稼ぎするのは問い合わせの殺到を避けるため
そもそも、iPadやiPhoneの配送の最新状況を確認できるシステムは顧客を安心させるためにある。
到着予定日が近づいても、商品がどこにあるのか不明な状況だと買い手は不安になるし、じれったく感じてキャンセルするかもしれない。
そうならないように、「あなたのiPad(iPhone)は、ご自宅までちゃんと運ばれつつありますよ」という証明として、配送状況の確認システムが存在する。
といっても、途中に事故や天候不順による遅れなどもがないわけではない。
それで、最速で配達できる日数で発送するのではなく、数日間のゆとりをもって運送業者に持ち込まれることになる。
普通に考えると、できるだけ早く航空便で日本に持ち込み、国内の支店で"ゆとりの数日間"を「寝かせて」おけば安心だが、そうもいかない事情がある。
中国語で問い合わせられるか
自分の注文した商品が、もしもすぐそばまで来ているのなら…
1日も早く手にしたいというのが人情ではないだろうか。
まして、触るのが楽しみで仕方のない新型のiPadやiPhoneだ。
もしも追跡番号などで、日本の支店まで来ていて、到着予定日の日数合わせのために、ただ待機させている状況だと分かれば「なぜそこにあるのに、早く送ってくれないのか」「直接、受け取りに行きたい」といった問い合わせが殺到することだろう。
それが中国であれば…
日本から国際電話をかけてまで催促することもないだろうし、実際に取りに行くことなどは不可能に近いだろう。
そういうわけで、中国をゆとりを持って出発したiPadやiPhoneは、しばらくの日程調整を経て日本に届けられるのである。
ユーザーにとってはじれったい事情だが、こればかりはアップルのルールなので仕方がない。
あらかじめ定められた到着予定日を心待ちにして首を長くして待つしかない。
もしや今、あなたもまさに到着を待っている一人かもしれない。
じっと我慢しよう。
必ず手元に届くはずだ。
ポリフェノール