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ポリフェノールの雑記ブログ🖋

日本の調理師として見たアジアのB級グルメや景色などを楽しくご紹介!趣味の雑記ブログをよろしくお願いしますd( ̄  ̄)

クアラルンプールのインド人街【リトルインディア】で本物のインドカレーに出会ってしまった!!

カレーへの片思い

 

 

こんにちは、ポリフェノールです。

大のカレー好きの調理師ポリフェノールは、本物のカレーを自分で作りたいと思い、それ系の本を買いまくって調べたりネット検索したりして、いろいろ試行錯誤していた日々がありましたが、結局は究極の材料が必要なので日本にいる間は無理だという結論に至って、最近はあきらめていましたw

 

インド人に日本でカレーを食べさせたら、美味しい料理ですね、ところでこれは何という料理ですか?』と逆に尋ねられたという話があるくらいです。

 

そう、日本のカレーも美味しいのですが、本場のカレーとは程遠いのです。

カレーであってカレーではないのです。

 

 

5つのスパイスだけで作れる! はじめてのインド家庭料理 (講談社のお料理BOOK)

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それはまるで、メキシコあたりで本物の日本の寿司を食べようとすることに近いのかもしれません。

 

店で食べられないのなら自分で!!と、

手抜きのカレールゥなどいっさい使わず、玉ねぎを炒めてカレー粉から時間をかけて作ったとしても美味しいんですが、これぞ本場の味と思えるような納得のいくカレーは、一度も再現できませんでした。

 

というか、そもそもインドのカレーにしても北インド南インドでは別物だし、極端なことを言うと同じ地域でも日本の味噌汁みたいに家庭ごとに味が全然違うとか…。

 

 

カラー版 インド・カレー紀行 (岩波ジュニア新書)

カラー版 インド・カレー紀行 (岩波ジュニア新書)

 

 

簡単にひとくくりにして表現したり、再現できるものではない奥深〜〜〜いものなんですね。

 

また、日本に明治ごろにカレーが入ってきた頃、料理人たちは日本で手に入る食材、調味料を駆使しつつ、いろいろ工夫して美味しくしたようですが、やはり日本風の別物のカレーに変身して広まったに違いない。

最初はカレーにカエルの肉を使っていたこともあると、本で読んだことがあります。

 

タイなどにも美味しいカレーはありますが、カレーといえばやはりインドカレー

でも日本でインド人が作っているカレーを食べても、なんだか今一つ。。。

 

ー日本人に合わせて味をアレンジしているせいなのか

ー本場の香辛料が手に入らないのか

 

本場で食べたことがないにもかかわらず、とにかくこれは(たぶん)本物ではない、と僕の本能が教えてくれるのでした。

 

というわけで本物のカレーを食べるには、やはり本場インドに行くしかないのかとあきらめかけていましたが、マレーシアの首都クアラルンプールのインド人街で、偶然にも恋い焦がれていたカレーに出会うことができました。

 

 

インド人街はクアラルンプール駅の隣の駅である、KLセントラル駅の向かい側すぐのところにあって、インド系の服屋さんなどが立ち並んでいます。

 

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しかも安い!!

 

値段については後から書こうと思います。

日本のカレーとの違いについて感じたことも書いていこうと思います。

 

インド人街ということもあってか、店で働いているのはもちろん全員インド人で、ほとんどが男の人でした。

 

入り口付近にナンを焼く特大かぼちゃみたいな形の土釜もあって、かなり本格的な感触がして入ってみたのですが、これが大当たり!

 

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マレーシアはイスラム教の方が多いので豚肉料理には滅多にお目にかかれませんが、このカレー屋さんでも豚肉のカレーはありませんでした。

日本ではお坊さんでも今や戒律を守らずなんでも食べる人が多いそうですが、いまだに一般人であっても宗教上のポリシーをきちんと守っているのはある意味立派だと思います。外国を旅していると、日本のいろんなところが壊れてきているのはそういった妥協も一因なのかなぁと思ったりします。法律に引っ掛かりさえしなければ、自分のしたいことなら何でもありみたいな…

 

さて豚肉のカレーがなかったので、僕はまず羊の肉と鶏肉のカレー、そしてプレーンナンをオーダーしました。

インド語が分からなかったのでちょっと不安でしたが、メニューもオーダーも英語で大丈夫でした!

 

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店内を見回すとお客さんの8~9割くらいがインド人という、ローカル色の強いお店で、さすがに写真入りのメニュー表はなかったので食べたいカレーの辛さや味のイメージを伝えるのに少々苦労しましたが、対応してくれた無口なインド人の店員さんは最後まで辛抱強く聞いてくれて、『じゃあコレがいい、お前はこれにしろ!!』と、、、言われるがままにオーダーしたのでした。

 

ちなみにこの人です。

 

もちろん 撮影許可はとってありますw

 

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さてこのオーダーの取り方も日本と違うところが

 

 

今の日本は特にクレーム社会だし、後から客に文句を言われたくないので店員さんが初対面のお客に特定の商品を強く勧めることは最近あまりないですよね。

 

店側はオーダーの相談にはやんわりと乗るとしても、あまり強くは勧めず客に自分で決めさせます。

 

もしもあとからなにか不満が出ても『お客様がご自分でお決めになられたわけですし…』という方向に逃げられますからねw

 

 

人それぞれだと思うけど、僕はこれって実は客に損なんじゃないかと常々考えてます。

 

メニューを一番よく知ってるのは店員さんだし、イメージを伝えれば最適の提案をしてくれるのもやはり店員さん。

 

客は食べたいものが定まってなかったり、メニューが分からなければ予算や味のイメージを的確に伝えたうえで、素直に店員さんのアドバイスを聞けばいいんです。

 

それで結果がダメなら、自分の店を見る目がなかったとスッパリあきらめるべきであって、後からクレームをつけたりするべきじゃないと思います。

 

 

chef1.hatenablog.com

 

外国はその点しっかりしているので、イメージを伝えると大抵おススメを提案してくれます。

 

中にはこれ以外注文しちゃダメ!!なんて言う頑固な店もあるくらい。

 

でも、そういう頑固な店って自分の店の味にいい意味でプライドをもってるのでそこまで言えるわけあって、客が自分にどの料理がふさわしいか聞いても、逆に何でも注文していいような態度をとる店は、必ずと言っていいほど美味しいものは出てきません。どこでも食べられるありふれたものばかり…

 

さて、このカレー屋さんも頑固タイプのお店で、出てきたカレーに僕は驚愕しました。

 

 

 頑固店の本場カレーとナンは超絶だった

 

まずナンは焼きたてで香ばしく、これだけ食べてもパンとして十分いけます。

 

柔らかいけど硬い。

 

日本でよく食べるナンは湿気ったおせんべいみたいなナヨナヨしたものが多いですが、外はきちんとパリッと中はふっくらしてるんです。

 

例えば下の写真を見てください。

 

同じリトルインディアの別の店のカレーとナンです。

 

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この別の店ではコーヒーもついて260円と、これはこれで安くてカレーは美味しかったんですが、日本でも食べられるような、ナヨッとした普通のナンがついてきました。

 

見るからにクレープの生地のような柔らかさです。

 

朝食にはいいかもしれませんが、なにか物足りなさが残ります。

 

お待たせしました。

 

 

実際に出てきたものがこちらです!!

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手前がバターチキンカレー、奥がマトンカレーになります。

 

そして香ばしいナンが。

 

多分土釜で焼く段階の湿度の逃げ具合も関係あるんじゃないかと。

 

ところどころいい感じの焦げがあって、適当に焼いたように見えて絶妙な焼き加減でした。

 

明らかに先ほどの店のものとは別物です。

 

昔ながらの土釜で、毎日毎日数をこなしていなければこうはいかないだろうと感嘆。

 

あとから厨房をよく見たら、ナンを焼くとき丸めた生地から一枚一枚焼く直前に伸ばして平らにしていました。

 

作り置きするんじゃなくて手間がかかってたんですね。

 

ちなみにインド人はカレーを含めて右手のみで食事します。

 

店にはフォークとナイフもあるんですが、横目で他のお客さんをチラチラ見ていると大きなナンを器用に右手だけでちぎって食べてカレーにつけて食べてました。

 

自分も真似して同じようにしてみたんですが、これがやってみるとなかなか難しい…

 

しょうがなく片手でちぎるのは断念して、誰も見てない時に両手でちぎっておいて、カレーにつけるときは片手で食べたのでありましたw

 

 

ナンも何種類も

 

ちなみに…

 

ナンにも何種類かあって、普通のプレーンナン以外にも、ニンニクのみじん切りを乗せたガーリックナン、チーズを練りこんだチーズナンなどがあります。

 

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お値段はだいたい、

プレーンナン 2RM(約55円)

ガーリックナン 4RM(約110円)

チーズナン5RM(約138円)

ぐらいでした。

 

最初はプレーンナンにしたんですが、美味しすぎて短い滞在期間中にリピーターして、いろいろ食べちゃいました。

 

 

 

店員さんおススメのマトンのカレかなり濃厚なのにどんどんいけてしまう不思議な味。

 

北海道で食べたマトンを思い浮かべてやや固めの肉かなと勝手に思ってましたが、チャーシューのように柔らかくて、ほとんど噛まなくてもトロトロと口の中で溶けていきます。

 

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そして味はやはり豚でもない牛でもない、どちらかというとブリとかマグロをカレー味の煮付けにしたものに近いようなイメージです。

 

あくまでもイメージですが…

 

そして骨ごと煮込んであるので、注意して食べないと口の中が切れそうなくらい、尖った骨がところどころに混ざってます。

 

きっとこの骨からもいいダシが取れてるんでしょう。

 

日本のカレー屋さんでは、尖った骨なんか入ってたら客に文句を言われるので、あまり骨つき肉は使わないんじゃないかな。

 

客が注意して食べればなんてことないのだけれど、この辺も本場との違いの一つだと思います。

 

そしてスパイスの多さ…

 

僕には分かんないくらいのいろんな香辛料が使われていることだけは分かりました。

 

これまでの人生で一度も味わったことのない、名前も分からないスパイスが入ってるんだと思いますが、初体験のカレー味が柔らかな羊の肉と一緒になって焼きたての香ばしいナンと一緒に口の中に入ってくる…

 

至福の時間です。

 

 

 

肉の多さ

 

また、使っている肉の量もハンパじゃないです。

 

普通、カレーというと【野菜たくさん肉ほどほど】といったことが多いですが、肉の割合が超多い!

 

 

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小鉢の中で肉がゴロゴロしてます。

 

カレーの半分が肉なんじゃないかと思うほど、つまり、キーマカレーでもないのに液体部分がとても少ないんです。

 

一体ちゃんと採算がとれるのか余計な心配をしたくなるほど、大量の肉が使われていました。

 

カレーの中に肉があるというより、もはやカレーで煮込んだ肉に煮込み汁が付いて器に入ってるというかんじです。

 

 

香ばしさ

 

店によって、カレーがプレートに入ってくることもありますが、この店では金属製の小鉢に入って出てきました。

 

そして、この金属の小鉢の外側を見ると溢れ出たカレーに焦げ目が…

 

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これはカレーを入れた後に小鉢ごと再びコンロか何かで加熱した証拠です。

 

これがまたなんとも香ばしく、食欲をそそります。

 

日本で本格的なカレーを注文すると、皿ではなく小さな金属の小鉢に入ってくることがありますが、それをさらに加熱して香りを高めるんでしょうね。

 

もちろん底が焦げ付いていなかったので、それほど長くは加熱しないでしょうが、スパイスの香りを最も高める、本場の知恵なんじゃないかと感心しました。

 

 

本物のカレーの辛さとは

東南アジア各国で辛いものに慣れているので大丈夫とは思いましたが、一応中くらいの辛さがいいとオーダーの時にお願いしたこともあり、手加減してくれたのが分かる辛さでした。

 

ナンにつけなくてもそのままで美味しく食せます。

 

あと、ベトナムやタイの辛い料理と比べると、後にひかないない辛さだったのが印象的。

 

口に入れると確かにガツンと辛いのに、スーッと辛さが消えていくんです。

 

辛くても水を一滴も飲まなくても完食できるくらいなんですね。

 

日本のカレーだと、辛いのを食べると大量の水を飲みながらじゃないと食べ切れないということがありますが、本物の辛さというのはこういうものかと感じます。

 

 

 

チキンカレーも美味なり

 

マトンカレーと同じくチキンカレーも、口では言い表せない美味しさがありました。

共通する部分が多いので列挙するとこんな感じ

 

・体験したことのない斬新なスパイスを多種類使っている

・ナンとの相性

・素朴な鶏肉に風味を加える適度なバター風味

・大量の肉

・小鉢ごと火にかけた香ばしさ

 

どれをとっても文句なしです。

 

 

 

本物のインドカレーの価格

 

これほどのカレーにもしも日本で出会ったとして、素材費、人件費、店舗運営費と計算したら、まず1500円は下らないだろうと思いますが、気になるのはここのお値段。

 

インド人が日常で普段食べているものだけあってリーズナブルな価格に抑えられています。

 

店構えもまさに大衆食堂でしたし。

 

ある程度清潔で、味さえ良ければそれでいいんです。

 

僕は普段、なんらかの商品を提供する費用を抑えることを重視しすぎると、どこかがおろそかになると感じているので、コスパというのは言葉があまり好きではないんですが、ここのカレーは価格面が抑えられているにもかかわらず素材を惜しまずに手間もかけられていて、非常にコスパが高くて味も本物でした。

 

chef1.hatenablog.com

 

 

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一部を除いてカレー全種類 が、な、な、なんと13RMマレーシアリンギット

 

日本円だと約360円です。

 

日本ではそう簡単に巡り会えないような本物のカレーを焼きたてのナンと一緒に食べて500円以下に収まります。

 

もちろんマレーシアの日本円にして500円は、現地ではもうちょっと高い価値があります。

 

でも、本物の味を求めて気軽に入れる価格設定ではないでしょうか。

 

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本物はここが違った

 

ちゃんとしたカレーを食べて、いくら頑張ってみたところで日本で本場のカレーは再現できないということがあらためてよく分かりました。

チキンカレーのところと重なりますが、その理由をあげるとこんな感じです。

・野菜と本物のスパイスをかなりたくさん配合して使っている。

・土釜で、コネたて焼きたてのナンと一緒に出す。

   (何度か行きましたが必ずカレーを先に出して、その後ナンを焼き始め、焼きあがったものをすぐ持ってきます)

・骨付きの羊の肉など、いいダシの出る素材をちゃんと使う。

・肉を含めてケチらず大量の素材を使うので、薄めた味が一切しない。

・客に出す前に小鉢ごと火にかけるので香ばしさが増す。

・プライドを持って作っているので、味の点で妥協しない。

    一部の客が口に合わないと言ったとしても、その都度妥協して味を変えると結局どこにでもある八方美人な味にしかならないんでしょう。

 

さぁ、カレー好きのあなたも、クアラルンプールにお越しの際にはぜひ一度インド人街の本物のカレーを体験してみてはいかがでしょうか。

  

 

 ポリフェノール

(''◇'')ゞ

 

 

家庭で作れる南インドのカレーとスパイス料理

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