これまでは一応、外国人を狙う詐欺集団の手口はなんとなく知っているつもりでいましたが、ベトナムではとうとう連続してやられてしまいました。
その手口を調べてみると鮮やか…
さすがはそれで、生計を立てているプロだと思います。
もう勉強代だと思って諦めるしかなかったのでありました(泣)
- 手口1 偽の身分証と同じような制服を着て大手タクシー会社を装う
- 財布の札をごっそり持っていく、ありえない運転手
- 手口2
- 金額のぼったくり
- 下のスクショをご覧ください。
- これがベトナムか…
- グラブに流れる一般客たち
手口1 偽の身分証と同じような制服を着て大手タクシー会社を装う
ベトナムでは、大手タクシーのビナサン、マイリンタクシーが比較的トラブルも少なく安全と言われていますが、ホーチミン空港に到着後、到着ロビーからタクシー乗り場に向かうところで、このうちの一つ【ビナサン】のイメージカラーのポロシャツを着た呼び込みに声をかけられました。
おんなじポロシャツに、帽子…。
一見するとビナサンタクシーのスタッフに見えるだけでなく、ポケットから写真付きのビナサンタクシーの身分証明書まで出して見せられ、安心しきっていました。
(最近では似た手口で、その辺で売っているグラブのジャンパーを着た個人バイタクとのトラブルもよく聞きます)
しかし、後から考えると、ポケットから身分証を出すなんて明らかにおかしいですよね。
チラっと客に見せた後はまたポケットにしまい込むし。
身分証は普通は首からずっと掛けとくものです。
で、すっかり信じ込まされたものの、金額が交渉制だったら後が面倒だと思い、『メータータクシー!』と念を押すと、平然と「メーター、メーター」と言う。
財布の札をごっそり持っていく、ありえない運転手
ところが、ついて行くと待機していたのは無印(タクシー会社の塗装じゃなくて普通の車)の車。メーターもありませんでした。おかしいと思いつつも運転手にせかされて助手席に乗せられ、「駐車場を出る時に金がいるから、1ドル出せ」と言う。空港の駐車場が有料なのは本当らしい(50円くらい)ですが、財布を見ながら『ドルは持ってない』と言うと、なんと勝手に財布に手を入れて札束を全部鷲掴みにして持ってったのです。
しかも、そのまま完全にこちらから見えない死角になるところ(運転手の背中)に手を持っていった!!
自分としてはかなり想定外のことで、一瞬何がなんだかわからず呆然としてましたが、一拍置いて状況が分かり、完全に頭にきて『返せ!!』と言うとニヤニヤしながらも返しましたが、かなり怪しい。
もうこんな車には乗ってられないと思い、駐車場を出る前に車から飛び出しました。駐車場の係員が近くにいるところでなら、まだ身の危険はないと思ったのです。
車を飛び降り、後部座席から鞄を引っ張りだした後、運転手をひと睨みしてやろうかと思って振り返ると運転席にはすでに運転手はおらずもぬけの殻…。そこへ図ったようにタイミングよく別の三人、例の偽の同じ制服を着た男たちが現れてギャーギャーわめき立てました。
(なるほど、バレたら運転手は即姿を消して別の人間が対応をするという手口だったのか)
こうなりゃひと暴れして腕の一本ももらってやろうかとも思ったものの、ベトナムは元軍人が多いし、相手は3人、しかもこちらはヘトヘトでやはり分が悪い。
あきらめることにして、空港の駐車場の人けのある明るいところにやってきて財布を見るとやはり…高額紙幣がない。
空港は両替が高いと思い、大金を両替せず、とりあえず一万円だけをベトナムドンに両替しておいたのが、まだ幸いでした。大金は財布に入れておかない方がいいですね。
去り際にかろうじてナンバーの写メだけ撮りましたが、車の左側にブレて写っているのが運転手が消えた後、しつこく迫ってきた男の1人です。写真を撮った後スマホを取られそうになりましたが、そこは命懸けで拒否しました。
どう見ても無印タクシーですよね…。
乗る前にもっと確認すればよかった。。。
手口のまとめ
・正式なタクシー乗り場の直前の場所で声をかける
・「呼び込み」が偽の身分証&そっくりの制服で、有名タクシー会社と思わせる
・有名タクシー会社とだまして無印タクシーに連れて行く
・メーターがないのに「メータータクシー」と言う
・助手席に乗せる
・駐車料金を払わせるために、財布を出させる
・運転席から、助手席にいる客の財布の中に手を突っ込む(このために後部座席でなく助手席に乗せる)
・札を持って行き、背中に隠す。
・客が騒ぎだしたら即、運転手はドロンする
・全く関係ない仲間が出てきて取り囲み、何やらまくし立てる。
・客は仕方なくあきらめる
こんな感じです。
手口2
金額のぼったくり
なんと、次のタクシーでもやられました。これまで各国で一度も被害にあってないのに、1日に2度もやられるとは、もう笑うしかないです。
先ほどの偽ビナサンから離れて再び両替して、今度は正規のタクシー乗り場に向かいました。
乗り場には数人のタクシー待ちがいて、自分の番が来たら順番にタクシーに乗り込むという、よくある方式です。
乗り込むと、ルパン三世にちょっと似の運転手は振り返ってどこへ行くのか?と目的地を尋ねます。
伝えると走り出すわけですが、ここで大失敗!
タクシー乗り場の配車係員が乗るときに紙をくれるのですが、運転手にこの紙を指差して「よこせ」と言われて、つい渡してしまいました。
後日ネットで調べると、これはなんらかのトラブルがあった場合に、後からどの車に乗ったのか分かるように、ナンバーを書いた紙からしいです。
まさに保険のようなものですが、これを渡すなど、痛恨のミス!!
この後はルパン運転手にとっては、もうネギを背負ったカモです。
下の写真がその車の車内です。
右上に、メーターが付いているのが確認できますが、運転手は目的地に着く途中で手動で消してしまいました。
で、「メーターが消えた」と言っても、聞こえないフリ。
そのままルパン運転手は運転を続け、目的地に着くなりまさかの高額請求。
耳を疑ったので、スマホに運転手自ら数字を打ち込ませました。
下のスクショが実際にルパン(運転手)が初めに打ち込んだ数字です。
ドンのところが、458000ドンとなっていて、日本円では2234円です。
明らかに高いと感じ、抗議するものの、言葉がわからないフリを続けるルパン運転手。
なぜメーターを止めたのか聞くと、これは故障であなたには関係ない。という始末。
しかも、数分のやりとりの後再びいくらなのか金額を打ち込ませると驚愕の結末に。
下のスクショをご覧ください。
記憶があやふやだといけないので、支払いをするとき毎回スクショを撮るクセをつけているので、このスクリーンショットも、まさにその時運転手に自分の手で打ち込ませた数字です。
なんと、600000ドン!となってます。
なんと、600000ドン(2234円)となってます。
さっきは458000ドン(2927円)だったのに、15万ドンくらい増えてる!!
ちなみに、これがどういう金額かというと、
後日グラブアプリで同じ場所の出発(ホーチミン空港)と到着(ホテルの前の道)、同じ距離で乗車料金がいくらになるか試しに測定したら、グラブタクシーを使う場合は料金は80K(80000)ドン、380円であることが分かりました。グラブタクシーは金額が出てから車の依頼するので安心です。
ぼったくりタクシーからは600K請求。つまり、7.5倍の料金を取られたわけです。
平日だったし、夜間でもなかったのに。
もう一回言います。
グラブタクシー380円のところ、
ぼったくりタクシー2927円
これがベトナムか…
第一印象が最悪な1日でした。
去り際にとりあえず悪質タクシーの後ろ姿を放心状態で写メりましたので載せておきます。
グラブに流れる一般客たち
その後何回もホーチミン市内でタクシーやバイタクを捕まえて乗りましたが、おかしな車に遭ったことは一度もありませんでした。
まっとうなタクシーのメーター&ダッシュボード近辺はこんな感じです。
空港に到着したばかりの、現地通貨に慣れていないヘトヘト時差ぼけ観光客は最も狙われやすく、また、悪質なドライバーたちも、そこに集まってくるということなんでしょうね。
また、最近はグラブなど、金額とルートが明快なアプリを使う賢い観光客が増えてきたので、客がそちらに流れて、個人タクシー運転手がさらにぼったくりに手を染めるようになってきているとも聞きます。
みなさんも海外旅行の際はくれぐれもご注意下さい。
ただし、お金よりも命が一番大切なので、身の危険を感じたらくれぐれも無理をしないで安全第一で旅行を楽しみましょう。
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