Planar50mmF1.4
[仕様]
画角:45°
レンズ構成:6枚7群
最小絞り:16
最短撮影距離:45㎝
フィルター径:55mm
人間の眼を超えるレンズ
これは、
『人間の眼を超える描写力を持つ』レンズとも呼ばれています。
望遠鏡や赤外線カメラも人間の眼を超えていますから、プラナーだってもちろん人間の眼よりありとあらゆる面で優れているという意味ではありません。
人間の眼以上のものなんて人工的に作れるわけがありませんからね。
でもそれほど描写力には定評がありました。
写真はカメラではなくレンズで撮るものだと思い込んでいる哀れな僕は、
このレンズを使うためだけに、AF全盛期になってもあえてマニュアル操作で内臓ストロボもないコンタックスカメラを愛用していたと言っても過言ではないかもしれません。
むしろいまだにクセがとれず、時々デジ1眼でAF撮りしているのを忘れて、瞬時にピント合わをしたい時についピントリングに指が動いてしまうことがあります。
メカニカルなことは博識でマニアな緒先輩方が詳しく書いておられて、とても小生ごときの知識が及ぶところではないのでさておき、
ツァイスレンズに共通する適度な重量感、操作性の良さ、何よりも圧倒的な描写力に惚れ込んでかなり使い込んでいました。
このレンズはピントを合わせる時のなんとも言えない適度な抵抗とグリップ感が、撮影するというプロセスそのものを至福の瞬間にしてくれるのです。
不調になったこともありましたが、関東カメラサービスさんにオーバーホールに出してピカピカになって帰ってきた時の嬉しかったこと!
またプラナーの特徴をもう一つだけ付け加えさせていただけるとするならば、それは僕だけの感想かもしれませんが、撮り手を成長させてくれるレンズだと思っています。
F1.4の明るいファインダーを覗いて撮影しながら被写体への距離とレンズの指標を感覚的に捉えて、瞬時に手動でピント合わせするとともに標準画角内での構成やツァイス独特の色のイメージなども配慮できるので。
おや?そういえばこれは他の明るいマニュアルレンズでもほぼ同じことですよね。
えこひいきする言い訳に困ってしまいましたw
やはり何事も道具を好きになることが一番!プラナーはずっと撮っていたくなるレンズだということでしょうか。
デザインもカッコ良かったですしCONTAXカメラとの相性も抜群で、重くはありましたが撮っている時の嬉しさだけでなく、持っている歓びがありました。
相棒として頻繁に連れ出して多くのシャッターを押したくなるレンズです。
真っ黒に塗装された金属製の堅牢で重厚なボディのカメラに、銀行の大金庫のダイヤルみたいなマニュアルレンズをガッチリとハメ込み、サッと構えてファインダーをのぞきながら獲物を狙いつつ(シャッターチャンスを狙って)ピントを手動で合わせて、息を止めて柔らかくシャッターを切る…
まるで小銃でも操作しているんじゃないかという錯覚にさえ陥ります。
そしてその瞬間に時が止まり、紛れもなくその一瞬を鮮明に記録できたという満足感に浸るのです。
単焦点のお手本のようなレンズ
このプラナー50mmでの撮影に慣れたおかげで、今のデジタル一眼レフカメラでも主にスナップでは単焦点の30mmF1.4を標準レンズとして使用しています。金欠で未だにフルサイズじゃないのです💦
50mmという標準レンズとしての画角も使いやすかったのですが、メインをデジタル一眼に移行していった後もなんだかんだ言いつつ、
キャノンのデジ1眼にマウントアダプターを付けてこのプラナーとディスタゴンは頻繁に使っていたので、きっとこのレンズの魅力は画角だけではないのでしょうね◆
最後まで読んでくださりありがとうございました
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